LabVIEWとNI DIAdem、TDMSフォーマットについて

いままで説明してきましたNI DIAdemとNI LabVIEWの関係、TDMSフォーマットの作り方について少し触れておきたいと思います。

 LabVIEWは計測・制御アプリケーションを開発するための開発環境です。
購入しライセンスを取得しても、それ自体ではなんの動作もしません。ユーザ自身によるプログラミングが必要になります。プログラミングが必要となりますが、GUI開発のしやすさと多くのハードウェアデバイスの制御が可能である点が大きな特長といえます。

 NI DIAdemは、ファイル管理・解析用にパッケージされたソフトウェアです。
購入後は単独のアプリケーションとして動作します。NI DIAdemに、LabVIEWのライセンスは必要ありません。すでに保存した他社計測器ファイルをお持ちでしたら、データプラグイン機能を用いて
直ちに解析業務を行なうことができます。(お持ちの計測器ファイルのフォーマットにデータプラグイン機能が対応しているかどうか事前に確認する必要があります)

 ではLabVIEWでNI DIAdemと同等の機能を持つソフトウェアが作れるかということですが、理論的には可能です。実際の開発に掛かる時間、費用を考えればNI DIAdemを購入したほうがコストが安いということになります。

 NI DIAdemまでの拡張性と高機能は必要ないということであれば、必要な解析と、定型のレポートを作成するアプリケーションをLabVIEWで作成することが可能です。当社でもこのような開発を請け負っております。(ただし、解析内容とレポート型式を考慮した設計が事前に必要です)

 またTDMSファイルフォーマットの作り方について触れておきたいと思います。
LabVIEWによるアプリケーション作成であれば、TDMストリーミング関数群を使用すれば問題なく、TDMSファイルが作成できます。
現在一番多いのは既にバイナリやcsvで保存しているファイルだと思います。
これをTDMSフォーマットに変換するには、次の方法があります。
(1)バイナリ、csvデータをTDMSフォーマットに変換するカスタムアプリケーションを作成する。
(2)NIの用意しているTDM C DLLとTDM Header Write DLLを使用してC言語のアプリケーションを作成して(あるいはプログラムに組み込んで)、バイナリデータにTDMSヘッダファイルを追記する方法です。TDMSヘッダが追加されたバイナリファイルは、TDMSファイルとして使用できます。

ただし、この方法はバイナリファイルにのみ可能です。

今回はLabVIEWとNI DIAdemとの関係、TDMSファイルの作り方について取り上げました。

貴重な計測データ、活用していますか?(まとめ)

 どうすれば柔軟な拡張性を保ちながら、計測データを共通・統一化して効率的に扱い、
コストパフォーマンスに優れた解析システムを構築できるのか?
という問題への回答がTDMSフォーマットとNI DIAdemにあることを当ブログで取り上げてきました。

技術面からの説明も含めて、複数回にわたり詳細に取り上げてきた理由は、

今日データに基づいた業務改善の重要性が増しているからです。
 傾向管理による品質改善、データ解析による設備診断、MTTR・MTBFの改善などより高品質化、

高効率化、高信頼性を実現するためには現場で集録したデータの活用が欠かせません。
現場データにこそ、その改善の手がかりがあると言えます。
 そのためにはただやみくもにデータを保存するのではなく、データ管理・検索・後の解析業務も配慮して、系統的かつシームレスにデータ集録し、蓄積したデータを解析して、管理する必要があります。

データフォーマットが計測器ごとに異なる、保存データが散在していて探しにくい、
ソフトウェアの操作がそれぞれ異なり習熟するのが大変、出力されるレポート形式が異なる、
では改善以前に多くの無駄が発生してしまいます。

 ユーザ様はこのようなことに悩まれるのではなく、どうすれば業務改善できるのか、
解析手法の検討やその手法の試行、業務フローの見直しに集中すべきです。

すでに取り組まれているユーザ様では、データフォーマットや業務フローを共通・統一化してより効率良く効果的に、これから取り組まれるユーザ様は、極力設備投資を抑えながらデータ集録・管理・解析を行う業務を導入する必要があります。
TDMSフォーマットとNI DIAdemの導入がその解決の糸口になります。
 当社では、このTDMSファイルフォーマットとNI DIAdemの導入・教育・業務支援をしております。

疑問点、不明点、ご相談などどんなことでも構いませんので、

お気軽に当社までお問い合わせください。

貴重な計測データ、活用していますか?(DIAdem編)

前回は、NI DIAdemの導入をお薦めしました。
今回はどうしてこのNI DIAdemなのか?をご説明したいと思います。
具体的に下記の2点を挙げたいと思います。

 まず第1にコストパフォーマンスがよいということです。
これだけの機能を有したソフトウェアアプリケーションの独自開発は時間と費用の面から非現実的です。NI DIAdemはTDMSファイルフォーマットに特化して開発され続けてきており、機能も毎年アップデートされています。(最新版では、動画データの同期やGPSによる緯度経度情報、Googleマップとの同期もとれるようになっています)
アプリケーションとしての安定性と実績からもNI DIAdemは優れているといえます。

 第2に、数多くの優れた機能を有している点が挙げられます。
具体的に機能のいくつかを取り上げてみます。
(1)データ検索機能
Google検索のようにキーワードで保存したデータ検索を行うことができます。前々回に説明しました記述情報(メタデータ)を使用してデータを検索することが可能です。
(2)データ表示機能
ファイルをクリックするだけでデータをプレビューする可視化機能が強化されています。データ解析の前に原データを確認したり、解析パラメータを変更しながら結果データを確認することができます。特にデータを重ね合わせての比較検証は視覚的に差異を捉えることができ効果的です。
(3)データ解析機能
原データに対して、微積分、移動平均、、ピークサーチ、FFT、IFFT、自己相関、相互相関、ディジタルフィルタなどの様々な演算を行うことが可能です。当社計測器・計測システムでは加工なしの原データを保存しています。データ収録後、後解析で様々な演算を行い検証することが可能となっています。
 優れた機能全てをここでご説明するわけにはいきませんが、他にもレポート作成機能VBAマクロ機能などがあります。
 計4回で貴重な計測データを活用するためには、TDMSファイルフォーマットが最適であり、最大限活用していく為にNI DIAdemの導入をお薦めしてきました。
 次回は、これまでのまとめにしたいと思います。
今までかなり技術的視点からの説明が多く、分かりづらい点も多いことと思います。
(書いている人間の文章力の問題と大いに言えますが)
疑問点、不明点などどんなことでも構いませんので、お気軽に当社までお問い合わせください。

貴重な計測データ、活用していますか?(ソフトウェア編)

1回目は、

(1)良否判定結果の保存、
(2)傾向管理による品質改善、
(3)データ解析による設備診断
などデータを活用しての業務改善にTDMSファイルフォーマットが最適であることを、
2回目は、このTDMSファイルフォーマットは、自由度の高さと拡張性に優れておりユーザはデータ構造を気にすることなく、保存するデータのみに集中することができることを取り上げました。
今回はこのTDMSファイルフォーマットをどうすれば使えるのか、取り上げたいと思います。
TDMSファイルフォーマットを活用するためには、下記のどちらかのアプリケーションの導入が必要です。
(1)ナショナルインスツルメンツ(NI)社のNI DIAdemソフトウェアの導入
(2)業務に必要な機能のみに絞りLabVIEWによるカスタムアプリケーションの作成
データ検索機能、データ表示機能、豊富な統計処理・信号処理解析機能、レポート作成機能、VBAマクロ対応による作業の自動化などの優れたパフォーマンスを有し、TDMSファイルフォーマットの持つメリットを最大限に活用するためにも(1)のNI DIAdemソフトウェアの導入を積極的に薦めています。また(1)と同等機能を有するカスタムアプリケーションの作成はコスト面から困難であり、コストパフォーマンスの点からもDIAdemを初期段階から導入することを薦めています。
弊社の計測器・計測システムでは、データ保存の段階からTDMSフォーマットを使用していますが、今まで蓄積してきた、また今使用している計測器の保存データはどうすればいいのでしょうか?
下記の2通りの対応が可能です。
(1)他の計測器メーカのファイルフォーマットでデータ保存を行なっている場合
NI DIAdemには、他の計測器メーカーのファイルフォーマットを読み込むデータプラグイン機能が標準で備わっています。
(2)独自フォーマットでデータ保存を行なっている場合。
独自のフォーマットのcsv形式、バイナリ形式、text形式などでデータ保存を行っている場合です。この場合はフォーマット調査の上、カスタムで独自フォーマット形式に合わせたデータプラグインを作成するか、独自フォーマットをTDMS形式に変換するアプリケーションを作成することで対応することができます。
いずれの場合もこのデータプラグイン機能により、他社(あるいは独自)のファイルフォーマットでも
NI DIAdemの有する優れた機能を使用することができます。
今回は、TDMSファイルフォーマットを活用するためにはNI DIAdemの導入を薦めました。
次回はこのNI DIAdemの優れた機能について取り上げたいと思います。

貴重な計測データ、活用していますか?(TDMS構造編)

 前回は現場で保存された貴重な計測データの保存・解析・管理を効率的に行うために

TDMS(TDMS:Technical Data Management Streaming)ファイルフォーマットを推奨しました。
今回は、このTDMSファイルの仕組みについて取り上げます。
TDMSファイルの大きな特徴は下記の2点です。
(1)3つの階層に構造化された形式。
(2)構造に組み込まれている記述情報(メタデータ)。
(1)の3つの階層とは、上位からファイル、グループ、チャネルになります。
1つのファイルは複数のグループを格納し、また各グループは複数のチャネルを格納します。ここで、グループ数・チャネル数や格納データに制限はありません。この構造により、ユーザは自由にデータ構造を決定することができます。
具体的には、ある単一の計測ファイル内の1つのグループを原波形データを、もう1つのグループに周波数解析(FFT)データを保存することができます。
あるいはマルチセンサ集録であれば、時間同期して1つのグループを加速度センサデータに、もう1つのグループに歪ゲージデータを同時保存することができます。
(この時間同期したマルチセンサ集録の詳細については別途取り上げます)
また計測された数値データそのものはバイナリ形式でデータ領域に格納され、高速ストリーミングに対応しています。
(2)の記述情報(メタデータ)とは、(1)で述べた3つの階層(ファイル/各グループ/各チャネル)にそれぞれ記述情報(メタデータ)を付与できます。ここで記述情報(メタデータ)とは格納される計測データのプロパティを意味します。この記述数や記述内容についても制限がありません。
具体的には、事業所名称、工場建屋名、計測対象物、計測機器名称、計測器シリアル番号、センサ番号、操作員名などがあります。こちらも自由に決めることができます。
この付与された記述情報(メタデータ)を利用してデータ検索を行います。
このようにTDMSファイルフォーマットは、ユーザのニーズや業務フローに合わせることができる高い自由度と拡張性が特長です。今後の保存データや記述情報の拡張もこのTDMSファイル構造に従い拡張すればよいわけです。
ユーザはデータ構造を気にすることなく、保存するデータのみに集中することができます。
次回はこのTDMSファイルを使用する方法について取り上げたいと思います。

貴重な計測データ、活用していますか?(データ保存編)

今回から数回にわたり計測データをどう保存し、どう活用していくのかこのブログで取り上げたいと思います。

計測したデータを保存する目的は各々ありますが、主として
(1)良否判定結果の保存、
(2)傾向管理による品質改善、
(3)データ解析による設備診断
などではないでしょうか。
また業務も「現場でのデータ集録・保存」→「データ解析」→「レポート作成」の流れになっていることと思います。
いずれにしても保存した計測データには次の品質改善の手がかりが含まれており、社の財産といえるものです。
この一連の業務は、効率よくスムーズに進められているでしょうか?
この貴重な財産が眠ってしまってはいないでしょうか?
もしスムーズではない、貴重な財産が眠っているとすれば下記の理由が考えられます。
(1)保存ファイルフォーマットがそれぞれ異なり、データを可視化したり、グラフ化するソフトウェアがそれぞれ異なる。担当者への負担が大きい。
(2)保存した計測ファイルが見つけにくい。レポート作成以前に時間がかかってしまう。
保存ファイルフォーマットは、csv形式やバイナリ形式、メーカ各社の独自フォーマットなどが混在しています。従って、ファイル毎に可視化するソフトウェアを起動したり、レポート作成にそれぞれ専用のソフトウェアを使用する必要があります。
加えて各端末にソフトウェアをインストールし、各ソフトウェアの操作に習熟する必要もあり、担当者の負担が重くなります。また複数の端末に様々なファイルフォーマットのデータが散在している状況もマイナス要因となります。
これでは特定のデータを見つけ出し、そのデータを解析し、必要な改善業務に活用するという作業を効率化することは困難です。
そこで、いままで蓄積した貴重な計測データとの互換性を保ちながら、高い拡張性を有したファイルフォーマットに統一する必要があります。
その答えはナショナルインスツルメンツ(NI)社が開発した
テクニカルデータ管理(TDM:Technical Data Management)ソリューションにあります。
このソリューション概念に基づいて構築されているのがTDMSファイルフォーマット
(TDMS:Technical Data Management Streaming)です。
このファイルフォーマットを使用することで、前述の問題を解決でき、データ解析、レポート作成という業務効率を大幅に改善することができます。
次回からこのTDMSファイルフォーマットについて説明していきます。
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